treedown’s Report

システム管理者に巻き起こる様々な事象を読者の貴方へ報告するブログです。会社でも家庭でも"システム"に携わるすべての方の共感を目指しています。

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ネットブックで何をする?

今日はネットブックの一つの使い道をご報告しようと思います。

ずばり以下の2点です。

  • モバイル専用PC
  • UPS付きバックアップ用PCです。

モバイル専用PCの条件として以下が満たされていることを前提にします。

  • バッテリが生きている(数時間程度使える)状態
  • 軽量(EeePCとかKOHJINSHA SCシリーズとか)で運搬が苦でないモデル

以前の記事「低コストシンクライアントというかVDIというか…。 - treedown’s Report」にてセルフVPNでメインPCにRDPで接続する環境をご紹介しました。この記事の「モバイルPC⇒できるだけ安価なPCで用意」の部分をこのネットブックで用立てる、というのはいかがでしょうか?
モバイルPCは持ち運びつつ出先でもコンソールとして利用する、という性質上(使うものほど破損する確率は高いという意味で)破損しやすい傾向があります。このためモバイルPCはRDP接続先となるメインPCに比べてあまりコストは掛けられません。ただしあまりコストを掛けない、ということは裏を返せば安価に調達するから買い直しも安価で済ませることができる、とも言えます。修復できないくらい思いっきり壊れたら諦めて買い直しできる程度の価格のPCをモバイルPCに使うのが万が一を考えても妥当な選択肢になります。

もしご興味がありましたら記事のリンクからご覧ください。
treedown.hatenablog.jp


ただし、OSがWindows XPだとこのOSを変更する必要性は出てきます、(Vistaや7なら本記事現在ではそのまま使えます。)
安くWindows 7が用意できればいいのですが…あくまでもお金を掛けずに済ませるとなるとここはLinuxも検討にいれる必要性があります。
LinuxをOSとする場合、RDPが稼働するWindowsに接続するためにはxrdp&rdesktopクライアントを導入することになります。xrdpやrdesktop自体はとても簡単にインストールが可能ですので、ちょっと変わったモバイルPCを自分で構成し優越感に浸る、というのも一興です。
その前にネットブックにLinuxがインストールできるのか?という疑問があるかもしれません。例えば「EeePC Linux」で検索するといろいろな方の構成を垣間見ることができますので、何かしらLinuxはインストール可能です。
(私のおすすめはDebian系(Ubuntuなど)です。なにせアプリケーションはaptインストールで簡単導入ですから)

一方で、バッテリの持続時間や持ち運びに耐えうる重量(軽量であること)を条件として満たさない場合には、バックアップ用PCです。
この場合でもバッテリと軽量(というより省電力)が生きてきます。

バッテリが生きている場合、外出先で利用できることが期待できるだけではなく、家で常時稼働させておく場合UPSの効果が期待できます。
例えば、電子レンジとドライヤーを同時に使ってしまった場合にブレーカが落ちてしまいます。と、この場合ふいの電源断となってしまい正常シャットダウンとはなりませんので、動作中のタスク(特にWindowsUpdate)がある場合そのタスクが予期しない停止になってしまいます。
WindowsUpdateのインストール中に強制電源断が起きると、適用しているアップデートによってはWindowsの起動に支障をきたすほどの破損をもたらしてくれることがあります。
例え5分しか稼働しないような持ちの悪いバッテリであろうとも、ブレーカの復帰が5分以内で可能な環境であれば十分役に立つバッテリです。
さらに常時稼働時に気になるのは電力消費です。
昔のデスクトップPCを常時稼働されておくと、なかなかの電力消費になります。例えばPentium4やPentiumDは消費電力がある程度高いCPUです。ここがAtom やCeleron、PentiumMなどのモバイル省電力プロセッサのPCは元々がモバイル想定で出先でのバッテリのもちをよくするためにデスクトップよりは省電力で稼働する設計になっています。そのため室内でACアダプタ稼働をしたとしても省電力で設定したタスクをこなしてくれます。
ネットブックはその役割として"大した処理をしない"想定で設計されていますから、電力消費もデスクトップPCを使うよりは省電力で済むことが多いです。
これもネットブックを常時稼働させたほうがよいと思える理由です。

バックアップ専用PCを用意することに興味が出てきた方、こちらの記事をご覧ください。

treedown.hatenablog.jp

ネットブックはCPUと内蔵ストレージがボトルネックになりがちな構成であることが多いです。
たとえばEeePC、CPUはCeleronMかAtomなので常時利用ではボトルネックになりがちですが、その遅さゆえの省電力性は常時稼働ではプラスに働きます。内蔵ストレージも当時としては珍しいSSDを採用しておりHDDよりも省電力が期待できます。
一方で、それ以外の構成はPCとあまり変わらない部品で構成されていることが多いです。常時稼働のPCとしてはある程度の及第点を与えることができそうです。
当時の内蔵SSDは容量が少ないのでバックアップPCとして利用するには当然ですがバックアップデータが入りきらないことになります。USB接続でHDDを増設してバックアップ用のストレージを用意しておきましょう。
バックアップストレージの選定には、外付けUSBハードディスクでRAID1が構成可能なケースと同容量HDD×2台を用意することで信頼性をあげることができます。
バックアップ以外でも、なにかメインPCのCPUや他のスペックを占有してしまうような処理をして待ち時間が発生しているようでしたら、余ったネットブックをWOLなどで起動できるようにしてメインPCを占有されないようにタスクそっくりサブPC側に移動させて実行しましょう。その間はメインPCが使えるようになる、ということです。

と、このように個人でめったに常時稼働のPCが必要になることはないかもしれませんが、個人事業主やフリーランスの方が昔買ったネットブックを余らせている、ということでしたら、
ネットブックのこのような利用方法、いかがでしょうか?